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チームリーダー挨拶

強直性脊椎炎(Ankylosing spondylitis; AS)は、10代〜40代を中心に発症する原因不明で、体軸関節である脊椎・仙腸関節を中心に慢性進行性の炎症を生じる疾患です。進行期には脊椎のみならず四肢関節の骨性強直や関節破壊により重度の身体障害を引き起こすこともあります。発症後は疼痛と機能障害が持続し日常生活に多大な支障をきたすこともあります。主に青年期に発症することから、就学者では学業の継続に支障をきたし、就労者では労働能力の低下を来すことが大きな問題となっています。
近年世界的に強直性脊椎炎は脊椎関節炎(Spondyloarthlitis;SpA)という疾患概念で捉える方向性が示されています。脊椎関節炎は強直性脊椎炎に代表される体軸性と乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、分類不能脊椎関節炎などが含まれる末梢性に大別されます。
強直性脊椎炎は以前よりHLA B27との関連が指摘されていますが、元々HLA B27陽性率が諸外国に比べ極端に少ない我が国では稀な疾患と考えられています。日本脊椎関節炎学会の前身であるAS研究会により疫学調査が行われたことがありますが、全国規模での疫学調査は実施されていません。したがって我が国でどの程度の患者数があるかなどは未だに不明です。強直性脊椎炎は関節以外の症状も多彩で小児期からも発症しますので診療には複数の診療科の協力が必要不可欠です。
厚生労働省脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究班は、脊椎関節炎診療に携わる我が国の疫学、基礎医学の専門家と小児期から成人までシームレスに対応するべく幅白い専門領域の臨床医から構成されています。日本脊椎関節炎学会など主要学会や患者会である日本AS友の会にもご協力いただき密接に連携を取りながら活動することで、強直性脊椎炎に対する難病対策向上及び難病支援体制の充実を目標に活動しています。本研究班では強直性脊椎炎を代表に脊椎関節炎に含まれる疾患やSAPHO症候群などが対象になります。我が国での疫学や診断・治療ガイドラインの策定や医療関係者はもとより幅広く一般国民への啓蒙活動を通じて全国的な診療体制の充実を図って参る所存です。

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究班研究代表者

大阪大学大学院医学系研究科運動器バイオマテリアル学 准教授
冨田 哲也

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